人形浄瑠璃描いた絵画、草加市へ寄贈 南あわじ

2018/8/1 05:30神戸新聞NEXT 

https://kobe-np.co.jp/news/awaji/201808/0011498951.shtml

 

 

故谷口紘也さんが描いた淡路人形浄瑠璃の作品。埼玉県の草加市文化会館に寄贈される予定だ=南あわじ市阿万西町
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故谷口紘也さんが描いた淡路人形浄瑠璃の作品。埼玉県の草加市文化会館に寄贈される予定だ=南あわじ市阿万西町

 淡路島の伝統文化や自然などを描き続けてきた洋画家の故谷口紘也さんの妻良子さん(72)=兵庫県南あわじ市=が、淡路人形を描いた紘也さんの作品を、埼玉県草加市草加市文化会館に寄贈する。同会館では毎年、淡路人形座が公演をしており、良子さんは「島外の人にも淡路人形浄瑠璃の魅力を伝えることができれば」と願う。(高田康夫)

 紘也さんは大学で西洋画を学び、淡路島に帰郷して教職へ。1994年に三原高校(現・淡路三原高校)に赴任してからは、淡路人形浄瑠璃の人形の絵を熱心に描いてきた。示現会の会員でもあり、東京にも淡路人形の作品を出品し、風格や気品にあふれた様子を発信してきた。紘也さんが2015年に亡くなった後、良子さんは自宅をギャラリーとして作品を展示。ただ、「もっと多くの人に知ってもらうことが主人の気持ちに添うことになる」と考え、寄贈を決めた。

 同会館での淡路人形座の公演には首都圏から多くの人が訪れる。南あわじ市出身で「東京淡路会」会長を務める山崎大樹館長(71)は「淡路人形浄瑠璃が市民の間でもなじみができている」。作品は会館に常設展示し、紘也さんのプロフィルも添える予定だ。

 寄贈するのは、人形浄瑠璃の演目「生写朝顔日記」に登場する「深雪」を描いた07年の作品で、大きさは80号(縦約1・5メートル、横約1・1メートル)。淡路人形座は同演目の一部の復活公演にも取り組んだことがあり、良子さんは「作品が人形座の活動を後押しすることにもなれば」と期待する。