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67歳、日本徒歩の旅 埼玉の吉本伸次さん

2015年8月17日 琉球新報 

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-247392-storytopic-5.html

埼玉県からリヤカーを引いて沖縄まで歩いてきた吉本伸次さん。また埼玉まで戻る=11日、金武町金武

【金武】11日午後、金武町金武の国道329号を重さ約80キロの大きなリヤカーを引き北向けに歩く男性がいた。どこから来たかとの質問の答えは「埼玉」。男性の名は吉本伸次さん(67)。埼玉県草加市の自宅を4月21日に出発した。新潟まで北上し、日本海沿いを西に向かい九州に上陸。鹿児島からのフェリーで8日に那覇港に着いたという。

 本島を海沿いに反時計回りで1周した後は再度鹿児島から、九州と本州の日本海側を歩いて帰るという。毎日5~6万歩、30キロ以上歩く。リヤカーの中身は衣類とキャンプ道具が主だ。あらかじめ調べた公園を、毎日の寝場所と目的地にする。10日に1日はホテル泊で休息日だ。遠くまで行くと家族が心配するからと、実は沖縄行きを「内緒にしていた」という。
 俳人種田山頭火のような全国を放浪する生き方に憧れた。25歳の時に友人と3人で運送会社を立ち上げ、65歳まで全うした。40歳ごろから徒歩の旅への思いを温め続けていた。
 徒歩の旅は2回目だ。昨年7、8月に東北方面を一周してきた。今回はその続きのつもりだった。開始1週間、4月28日に福井県内でバランスを崩したリヤカーが脚に倒れて骨折した。そのまま気付かず歩き続けたが、一時中断を余儀なくされた。
 福岡で出会った自転車の旅人と、九州の道中で偶然3回もすれ違った。そして11日、金武町のコンビニで4回目の「奇跡の再会」。旅人同士運命を引き寄せた。
 来年は妻と一緒に四国の寺院88カ所を巡るという。旅の魅力を「己をゆっくり見詰めることができる。毎日ただ歩いているだけだけど。いろんなこと考えながらね」と吉本さん。旅は10月末から11月半ばの間に終える予定だ。(長浜良起)