「歴史」謙虚に見つめて 松代大本営追悼碑20周年の集い

信濃毎日WEB08月11日(火)

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08月11日(火)

朝鮮人犠牲者追悼平和祈念碑の前で父親への思いを語った新井さん(右奥)=10日、長野市松代町

 

 長野市の松代大本営地下壕(ごう)入り口にある「朝鮮人犠牲者追悼平和祈念碑」で10日、碑の建立20周年を記念する集いがあった。「松代大本営追悼碑を守る会」が主催し、約60人が出席。在日本大韓民国民団(民団)県地方本部の代表者らが、朝鮮人労働者が建設に携わった経緯を記した市の説明板の見直しを求めた。

 地下壕の説明板をめぐり、市が昨年新たに記した内容に、守る会などは今年3月、「強制性が曖昧になる」と、元に戻すよう求める2万人超の署名を市に提出した。

 民団県地方本部の崔再龍(チェチェヨン)顧問は「歴史の事実を謙虚に受け止め、過ちを繰り返さぬよう語り継がないといけない」とし、見直しを考えない市の対応を「とても残念に思う」とした。

 日朝県民会議の村山智彦事務局長や、在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)県本部の李光相(リガンサン)委員長は、安倍政権の安全保障政策の転換などにも触れて、過去の歴史を直視して、戦後70年で築いてきた平和を守る大切さを訴えた。

 朝鮮人労働者だった父親が建設工事で亡くなった新井七郎さん(77)=埼玉県草加市=が今回初めて出席し、守る会などの活動に感謝し「今後とも末永く見守っていただきたい」と願った。