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耐震化、公立保育園で6割台 小中学校優先も

http://www.saitama-np.co.jp/news/2015/03/11/03.html 2015年3月11日(水)

県内施設のうち保育園や幼稚園の耐震化率が60~70%台にとどまっていることが県や国の調べで分かった。東日本大震災をきっかけに施設の耐震化は加速=別表参照。県は2015年度内に各種施設の耐震化率を「90%以上」とする目標を掲げているが、施設の種類によって進捗(しんちょく)状況に差が出ている。

 耐震改修が必要なのは1981年以前に建てられた施設で、耐震性能を満たしていない物件が対象となる。県や国の調査で、東日本大震災前・直後の時期に比べ、各種施設の耐震化率は向上した。

 しかし、直近のデータで90%に近づく施設類がある一方で、公立保育園施設(368棟)の耐震化率は62・5%と低調。行政の改修補助を受けられる私立保育園施設(544棟)の86・6%に比べて低い。

 草加市は公立保育園19施設の耐震化率が25%(13年10月現在)にとどまっている。市の担当課は「小中学校、幼稚園は夏休みを利用して集中的に耐震改修工事を行えるが、保育園には夏休みがない。園庭も狭く、改修期間に仮園舎を置く場所探しにも四苦八苦している」と課題を指摘する。

 寄居町が運営する公立保育園は新築の1園を除く3園が耐震基準を満たしていない。町の担当課は「財源的な理由もあるが、避難所となる小中学校施設の耐震化を優先的に進めてきた。保育園も計画を立て、できるだけ早く進めていく」と話す。

 一方、私立幼稚園施設(1079棟)の耐震化率も76%(14年4月)と8割に届いていない。県の聞き取り調査によると「経済的理由」が大きな要因。15年4月には80%に達する見通しだが「子どもたちの命」に関わる課題。担当の県学事課は「改修工事の補助制度もある。終わってない園に対して今後、個別に呼び掛けていく」と、耐震改修をさらに促進する方針だ。

県内施設の地震対策の進行状況

▼公立小中学校施設(4530棟)の耐震化率
69・1%(10年4月)→97・2%(14年4月)

▼県立高校・特別支援学校施設(779棟)の耐震化率
98・5%(10年4月)→  100%(14年4月)

▼私立幼稚園施設(1079棟)の耐震化率
62・8%(11年4月)→76・0%(14年4月)

▼公立保育園施設(368棟)の耐震化率
45・7%(10年4月)→62・5%(13年10月)

▼私立保育園施設(544棟)の耐震化率
75・2%(10年4月)→86・6%(13年10月)

▼民間の病院や大型店舗など(約4000棟)の耐震化率
83・0%(11年3月)→87・0%(14年3月)

▼防災拠点となる公共施設など(6833棟)耐震化率
76・1%(11年3月)→90・2%(14年3月)

社会福祉施設(5701棟)などの耐震化率
82・4%(10年4月)→89・0%(13年10月)

※県と国の調査に基づく。幼稚園施設の11年4月データは限定調査。民間の病院や大型店舗などは多数が利用し3階かつ1000平方メートル以上の施設が対象。社会福祉施設は障害者施設や老人ホームなどのほか保育園も含まれる。